第3回: 後悔先に立たず! 長時間夜勤の健康リスク

POINT
●疲労の進展―短期的健康リスク
●循環器系機能への負担―中期的健康リスク
●“夜勤はおそらく発がん性がある”―長期的健康リスク

短期的な健康リスク

8時間夜勤のほうが16時間夜勤より忙しい!?

 今回はまず,長時間夜勤の健康リスクに焦点をあててみたいと思います。その際,健康リスクを,短期,中期,長期の3つの時間軸で見ていくことにしましょう。 長時間夜勤は,労働時間が通常の夜勤よりも長くなることから,当然,疲労やストレスも短時間夜勤に比べて高くなり,健康リスクも大きいことがポイントになります。

 図1は16時間夜勤と8時間夜勤を行なっている看護師の労働負担を調べた筆者らの結果です1)。このときの労働負担は,看護師に身体活動量計という腕時計型の体の動きを測る装置をつけてもらって活動量を計り,忙しさの観点から評価しました。つまり忙しいと活動量が多くなり,労働負担も高くなるという理屈です。

 図1をみると5時30分~7時30分の2時間の区画を除いて8時間夜勤の活動量が16時間夜勤より多いことがわかります。 まず 1時30分~3時30分((A)の時刻帯)は,よくいわれるように16時間夜勤では準夜勤と深夜勤の間の申し送りがなくなったり,準夜勤時刻帯に前倒しで深夜勤時刻帯の業務を行なうことができるので,労働負担が緩和されるわけです。一方,8時間夜勤にとってこの時刻帯は,深夜勤の開始直後ですから,看護師は患者の情報収集でバタバタしており,その結果,活動量は多くなり,労働負担は高まります。

 次に3時30分~5時30分((B)の時刻帯)は,16時間夜勤では (A) の時刻帯の恩恵を大きく受けますので,8時間夜勤よりも活動量は少なくなります。つまりこの時刻帯でも16時間夜勤の労働負担は相対的に緩和されるわけです。

 7時~9時((C)の時刻帯)も8時間夜勤は16時間夜勤よりも活動量が多く,労働負担が高い印象を受けますが,はたしてそうなのでしょうか?

ケア業務時間を休憩時間にあてなければつとまらない16時間夜勤

 この調査では,活動量による忙しさの測定と同時に,調査員が看護師の後ろに“背後霊のように”くっついて看護業務を観察しています。図2は,7時~9時((C)の時刻帯)の業務を比較したものです。結果は看護業務の中分類にしたがってまとめてあります。図をみると,16時間夜勤の休憩・待機時間の割合が8時間夜勤よりも9.4%も増えていました。これが図1で16時間夜勤の活動量が減っていた理由です。しかしながら問題なのは,もっとも業務比率が高いケア業務の割合が5.2%も減っていたことです。

 なぜ問題かといいますと,看護師がもっともやるべき,またやりたいと思っているのはケア業務です。本来ならば,ようやく患者が起床してそれができる時刻帯になったのですから,休憩などとっているはずはありません。にもかかわらず,16時間夜勤の看護師は,ケア業務を7時から勤務に就いた日勤者にまかせ,自分たちは休憩をとっていたのです

 結局,16時間夜勤看護師が元気だったのは,患者が寝ている間だけでという皮肉な状態になっていたのでした。したがって,それだけ16時間夜勤は疲労を進展させてしまう健康リスクが高い勤務なのです。

中期的な健康リスク

看護師過労死裁判の教訓としての夜勤の健康リスク

 2008年に国立循環器病センター(当時)の村上優子さんと東京都済生会中央病院の高橋愛依さんという若い2人の看護師が脳・心臓疾患の労災に認定されました。いわゆる過労死です。新聞紙上では,過労死の認定基準である80時間の月時間外労働時間未満であっても労災として認定されたことが大きく報道されました。この結果は,長時間の時間外労働と同じくらい夜勤そのものが健康リスクを高めることを明らかにしたわけです。

 筆者にとってショッキングだったのは,高橋愛依さんが仮眠中のストレッチャーの上で亡くなられたということでした。というのも,睡眠は生活の上でもっとも大きな疲労回復の機会なのに,疲労回復どころか死亡してしまったのです。

 調べてみると,これまでも睡眠時に死亡が多いことは知られていたようです。獨協医科大学の徳留教授は,突然死の前にどんな活動をしていたかを調べました2)。データは3,179名の健康だった人と15,010名の何らかの病気を持っていた人のものをまとめています。活動のなかで「就寝中」が「健康群」も「疾患群」も1位を占めています。それも2位の「入浴中」との間にかなりの差があることが特徴的だったのです。

 そこで筆者らは,どうしてこのようなことが起こるかについて過労死の実験と銘打った実験を行ないました(図33)。毎日8時間睡眠をとっている19歳の大学生を,12日間にわたり5時間睡眠にし,その変化を調査したのです。

過労に関する睡眠のメカニズム

 結果を説明する前に,ちょっとだけ睡眠のメカニズムについて学習しましょう。

 まず,人間の疲労の回復には徐波睡眠という深い睡眠が必要とされます。世のなかに,9時間以上眠らなければダメな長時間睡眠者と,6時間以下でも大丈夫な短時間睡眠者がいるとしましょう。さしずめ長時間睡眠者で有名なのはアインシュタイン,短時間睡眠者の代表はナポレオンです。一般の人は,一晩に平均7~8時間眠るとします。この三者を比べてみると,睡眠時間が長くても短くても徐波睡眠の出現量は,ほとんど変わりません4)。ですから,睡眠時間の長さにかかわらず,徐波睡眠こそ大切な睡眠というわけです。また,一晩徹夜をして眠らないと,翌日の睡眠では徐波睡眠が他の浅い睡眠をおさえて最初に出現します。これらのことからも,人間にとって徐波睡眠が重要であることが導き出されるのです。

 次に,睡眠は“心身を眠らせる睡眠”と“心身を起こす睡眠”に大きく分けられます。前者は先ほどの徐波睡眠,後者はレム睡眠といって夢を見ているときの睡眠です。レム睡眠では,心拍数や血圧などが高くなる特徴がありますから,“心身を起こす睡眠”といわれます。

睡眠中の循環器系機能に負担をかける長時間夜勤

 図3を見てください。一般的に心身を眠らせる睡眠である徐波睡眠は20歳の成人で,一晩に15~20%の範囲で出現するといわれています5)。図をみると8時間睡眠をとったときの大学生の徐波睡眠は20%くらいです(右のメモリ)。この大学生は,正常な睡眠の人であることがわかります。しかし,ですから,この大学生の睡眠を短くして5時間睡眠にすると,1日,2日目の徐波睡眠量はあまり変わりませんが,3日目以降は徐波睡眠が40%以上も出現していました。いってみればこの大学生は爆睡していたわけです。

 ところが,レム睡眠中の心拍数をみると(左のメモリ),8時間睡眠の時は1分間に約58拍だったのですが,5時間睡眠を12日間続けたら,その間の心拍数は上下こそはしますが,12日目には1分間に約68拍になったではありませんか。ただ寝ているだけで10拍も心拍数が高くなったのです。

 この実験結果は,人間という動物は,一気に深い睡眠をとることに慣れていないことを示しています。つまり,一気に徐波睡眠が出てしまうと,脳にとってはたいへんありがたいことですが,体にとっては,その後,心臓がバクバクしてありがた迷惑というわけです。

 長時間夜勤,とりわけ16時間夜勤は,準夜勤後にとるべき睡眠の代わりに連続して深夜勤を行なうしくみです。したがって,その後の睡眠はどうしても“爆睡”にならざるを得ません。その意味では,長時間夜勤は睡眠中の心拍数や血圧など循環器系機能に負担をかける勤務であり,ともすれば死にいたるような健康へのリスクがとても大きい勤務といえるのです

長期的な健康リスク

夜勤が健康に及ぼすさまざまな悪影響は明らかに

 長期間の夜勤が健康リスクに及ぼす影響は,疫学(epidemiology)という方法で調べます。ところが,夜勤の長期間の影響に関する科学論文はこれまではあまりありませんでした。たとえば夜勤者の間では,胃腸障害が多いことは知られていました6)が,論文という形にはなかなかなりにくかったのです。その理由は2つあります。

 1つは,疫学研究は何十年という長い調査期間が必要なので,結果が出るまでに時間がかかるということです。

 もう1つは,健康を害した看護師は夜勤を辞めてしまうので,長期間にわたって夜勤を行なっている看護師は,いわば生き残った超健康な看護師(あなたです!)ですから,健康リスクを過小評価する傾向にあるためです。このように夜勤職場に健康な労働者ばかりが残ってしまうバイアスを疫学研究では健康労働者効果(Healthy Worker Effect:HWE)といいます7)

 最近は,全世界で国家規模の研究が行なわれ,夜勤交代勤務が健康に及ぼすさまざまな悪影響が科学的に明らかになってきています。たとえばスウェーデンでは双子を対象にした研究も行なわれているほどです。その研究では,双子のうち夜勤交代勤務の経験がある労働者は,経験がない労働者より明らかに睡眠障害に罹患すると報告されています8)。わが国でも14年間にわたって夜勤交代勤務者の血圧を追跡調査した結果,収縮期血圧の増加は,明らかに常日勤者より夜勤交代勤務者で多いとの報告があります9)。直近では,夜勤を15年以上続けていると脳梗塞になるという報告もなされました10)

 そのなかでも,長期間夜勤を行なっている看護師は乳がんになりやすい,ということが諸外国ではたいへん注目されています。

夜勤と乳がん発がんリスク

 発端は,2007年10月にWHOの国際がん研究機関(International Agency for Research on Cancer:IARC)が「夜勤はおそらく発がん性がある」と認定したことにあります11)。「おそらく」というのは,IARCの発がん性因子の5段階の基準によるものです。IARCの基準で最も危険度が高いのはグループ1という基準です。これは動物でも人間でも確実に発がん性が確認された場合(たとえばアスベスト)に認定されます。

 夜勤交代制勤務はグループ2Aであり,それは2番目に発がん性が高いというものです。この基準は,動物実験では確実な発がん性の証拠があるものの,人間では確実な証拠に乏しい場合に認定されます。前述したように,夜勤交代勤務の長期的な健康影響を調べるためには疫学研究が必要です。しかし疫学研究は,長い年月が必要ですから,その間にさまざまな要因が介在してしまい,夜勤交代勤務だけによってがんが発生するかの判定が難しいのです。

 夜勤交代勤務の発がん性についての認定は,10か国24人の科学者によってなされました。IARCは夜勤交代勤務をグループ2Aに認定する際に,夜勤交代勤務とがんとの関係があるとした疫学論文を8編集めています12)。そのなかの3編の論文は,まさに看護師の論文でした13)-15)

 夜勤交代勤務者が乳がんになるメカニズムは,夜勤による人工照明の曝露によって,夜間時刻帯に分泌される抗酸化作用や抗腫瘍作用があるメラトニンが抑制され,エストロゲンが分泌されることによるものと推測されています16)17)。イスラエルのクルーグ博士はNASAの衛星写真を使った研究を行ないました。夜間に煌々と照明に照らされている都市部と暗い地域での乳癌の罹患率を調べたところ,夜間照明のある都市部の乳癌の罹患率が高かったのです18)。また,メラトニンは460ナノメータ付近の波長,つまり人工照明の青色光がもっとも抑制させることがわかっています19)。ちなみにメラトニンの抑制効果がないのは赤色光です。また男性よりも女性のほうがその感受性は強く20),盲人では夜間照明の曝露があってもメラトニンが抑制されません21)。ちなみにメラトニンの抑制効果が小さいのは,赤色光です。そこで乳がんが心配な看護師は,じゃあ,病棟の照明を赤色光に変えてしまおうというかもしれません。でもそうはできませんよ。だって病棟がキャバレーになってしまうから。それに,なによりも赤色光だと,メラトニンの抑制効果がないために,眠気が出て,安全上問題なのです。

 このIRACの結果を受けて,デンマーク政府は2008年より元夜勤交代勤務者の乳がん罹患者に労災認定をするようになりました。2008年3月現在,38名の元看護師や元客室乗務員が労災認定されています。このことは英国22)や米国23)では大きくニュース報道されましたが,わが国では,まだ十分に認識されていません。

 ちなみに最近,携帯電話がグループ2Bに分類されたことが,たいへん大きな話題になっています。でも夜勤交代制勤務グループ2Bより大変なグループ2Aなんですよ。それなのにどうして報道してくれないんでしょうか!?

 さて,じゃあ,男性ナースは大丈夫かという話になります。ダメなのです。男性ナースの場合,メラトニンが抑制されて,男性ホルモンであるテストステロンの分泌が上昇して,前立腺がんになるといわれているんですよ。

長時間夜勤に仮眠は有効か

長時間夜勤中に120分の仮眠をとることの意義…

 夜勤による健康リスクから心身を守るためには,夜勤によって奪われた睡眠を,夜間時刻帯に,なるべくまとめてとることが有効とされてきました。いわゆる夜勤中の120分の仮眠です。しかし長時間夜勤では事情が少し違っているようです

 労働科学研究所の松元研究員らは,16時間夜勤を行なっている看護師のうち,仮眠が120分以上とれた看護師と120分未満の看護師の疲労感の変化を調査しました24)が,統計学的に意味のある差は示されませんでした。つまり,120分以上仮眠をとってもとらなくても科学的には疲労感は同じということです。

 図4は12時間夜勤と16時間夜勤を行なっている病院で,仕事の忙しさによって休憩(細線)と仮眠(太線)のとられかたをみた筆者らのデータです25)。忙しさを「忙しくない日」「忙しさがいつもと同じ日」「忙しい日」の3つに分けて分析しています。

 図をみると,12時間夜勤は「忙しい日」だと休憩はとられていますが,仮眠の取得率はめっきり減っていることがわかります。一方,16時間夜勤では「忙しい日」こそ仮眠取得率が上がっているではありませんか。つまり16時間夜勤は忙しくても仮眠をとらないとやっていけないのです。でも120分以上の仮眠時間でも疲労軽減効果は期待できないということなのですから,困ったことです。筆者らは,これまでも夜勤中にとる120分の仮眠に大きな効果があることを強調してきました26)から,ちょっぴり残念です。

 ただし,この原因は,16時間夜勤の看護師の配置人員の成り立ちが,本来ならば少なくとも2人の準夜勤と2人の深夜勤を合わせた4人で夜勤をやるべきにもかかわらず,16時間夜勤の配置人員が3人になっているというマジックにあるのだと確信しています。(2011年執筆)

〔引用文献・注釈〕
1)佐々木司,酒井一博.上野満雄.看護職員の労働負担と健康影響に関する調査結果─8時間夜勤と16時間夜勤の労働負担.自治体安全衛生研究 1999;19:66-74. 註:この論考は三重県の伊勢市立病院の看護師の過労死事件を受けて行なった調査をまとめたものです.
2)徳留省悟.東京都内の突然死の実態に関する研究.平成5年度厚生労働科学研究補助金成人病対策総合研究事業報告書.1994;p69-82. 註:この結果には批判もあって単位時間あたりの発生数にすると,睡眠は下位になり,逆に排便が上位になります.しかし筆者は活動のありなしが重要と考えています.15分の睡眠や6~7時間の排便ということはないのですから.第3位の“休憩・休息中”は,過労死や過労自死の発症が休憩や休息中に多いことからも説明できます.
3)佐々木司,酒井一博.繰り返しの睡眠短縮が睡眠中の循環器機能に及ぼす影響─心拍数の変化.労働科学1997;73(7):288-91.
4)Benoit O, Foret J, Bouard G, Merle B, Landau J, Marc ME. Habitual sleep length and patterns of recovery sleep after 24 hour and 36 hour sleep deprivation. Electroencephalogr Clin Neurophysiol. 1980;50(5-6):477-85. 註:本論文の第2著者のフォレ教授はフランスを代表する夜勤交代勤務研究者です.
5)Hirshkowitz M, Moore CA, Hamilton CR 3rd, Rando KC, Karacan I. Polysomnography of adults and elderly:sleep architecture, respiration, and leg movement. J Clin Neurophysiol. 1992;9(1):56-62.   註:健常者の加齢にともなう睡眠脳波に関する結果は,意外に少ないのです.睡眠研究では,概して病人,乳幼児,学生,老人のデータが多く,働き盛りの30代~50代の脳波データが少ないことが特徴です.
6)Rutenfranz J.天明佳臣,酒井一博訳編.交代勤務者の健康と家庭生活.労働科学研究所維持会資料.労働科学研究所1989年 27ページ.註:本資料は1989年に西ドイツ(当時)のルーテンフランツ教授が来日し,東京(労働科学研究所主催)と岡山(岡山大学主催)で開かれた講演会のものです.ルーテンフランツ(Rutenfranz)教授はICOH (International Commission on Occupational Health:国際労働衛生学会)の科学委員会である夜勤交代勤務委員会(現,労働時間学会)の初代委員長です.“ルーテンフランツの9原則”で有名です.この委員会の2代目委員長は労働科学研究所の小木和孝教授,3代目はイギリスのフォルカード(Flokard)教授,4代目はイタリアのコスタ(Costa)教授です.
7)Knutsson A. Methodological aspects of shift-work research. Chronobiol Int.2004;21(6):1037-47.   註:本論文の筆頭著者のスウェーデンのクナットソン(Knutsson)教授は夜勤交代勤務と循環器疾患の疫学研究の第一人者です.
8)Ingre M, Åkerstedt T. Effect of accumulated night work during the working lifetime, on subjective health and sleep in monozygotic twins. J Sleep Res. 2004;13(1):45-8.
9)Suwazono Y, Dochi M, Sakata K, Okubo Y, Oishi M, Tanaka K, Kobayashi E, Nogawa K. Shift work is a risk factor for increased blood pressure in Japanese men:a 14-year historical cohort study. Hypertension. 2008;52(3):581-6.
10)Brown DL, Feskanich D, S?nchez BN, Rexrode KM, Schernhammer ES, Lisabeth LD. Rotating night shift work and the risk of ischemic stroke. Am J Epidemiol. 2009;169(11):1370-7.
11)Straif K, Baan R, Grosse Y, Secretan B, El Ghissassi F, Bouvard V, Altieri A, Benbrahim-Tallaa L, Cogliano V. Carcinogenicity of shift-work, painting, and fire-fighting. Lancet Oncol. 2007;8(12):1065-6. 註:IARCが認めた職種のバラバラ感がいいですね.夜勤交代勤務は,“グループ2A”,塗装業は“グループ1”,消防士は“グループ2B”ということです.
12)Kolstad HA. Nightshift work and risk of breast cancer and other cancers-a critical review of the epidemiologic evidence. Scand J Work Environ Health. 2008;34(1):5-22. 註:本論文では,夜勤とがんに関する426編の論文を検索し,61編の論文を選別したのちに疫学研究12編の論文を考察しています.
13)Schernhammer ES, Laden F, Speizer FE, Willett WC, Hunter DJ, Kawachi I, Colditz GA. Rotating night shifts and risk of breast cancer in women participating in the nurses’ health study. J Natl Cancer Inst. 2001;93(20):1563-8. 註;米国では“看護師健康調査(the nurse’s health study)”と呼ばれる大規模な疫学調査が進行中です.本論文は,がんに関してその途中経過を報告しています.
14)Lie JA, Roessink J, Kjaerheim K. Breast cancer and night work among Norwegian nurses. Cancer Causes Control. 2006;17(1):39-44.
15)Schernhammer ES, Kroenke CH, Laden F, Hankinson SE. Night work and risk of breast cancer. Epidemiology. 2006;17(1):108-11.
16)Cohen M, Lippman M, Chabner B. Pineal gland and breast cancer. Lancet. 1978;2(8104-5):1381-2. 註:本論文はメラトニンと乳癌の関係について述べた世界で初めての論文です.
17)Stevens RG. Electric power use and breast cancer:a hypothesis. Am J Epidemiol. 1987;125(4):556-61.
18)Kloog I, Haim A, Stevens RG, Barchana M, Portnov BA. Light at night co-distributes with incident breast but not lung cancer in the female population of Israel. Chronobiol Int. 2008;25(1):65-81.
19)Lockley SW, Brainard GC, Czeisler CA. High sensitivity of the human circadian melatonin rhythm to resetting by short wavelength light. J Clin Endocrinol Metab. 2003;88(9):4502-5.   註:本論文の筆頭著者のロックレイ(Lockley)博士は研修医に関する素晴らしい研究成果を残しています.
20)Monteleone P, Esposito G, La Rocca A, Maj M. Does bright light suppress nocturnal melatonin secretion more in women than men?. J Neural Transm Gen Sect.1995;102(1):75-80.
21)Verkasalo PK, Pukkala E, Stevens RG, Ojamo M, Rudanko SL. Inverse association between breast cancer incidence and degree of visual impairment in Finland. Br J Cancer. 1999;80(9):1459-60.
22)http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/scotland/7945145.stm(2009年11月30日参照)
23)http://www.cnn.com/2009/HEALTH/03/16/cancer.nightwork/(2009年11月30日参照)
24)松元俊,佐々木司,崎田マユミ,内藤堅志,青柳直子,高橋悦子,酒井一博:看護師が16時間夜勤時にとる仮眠がその後の疲労感と睡眠に及ぼす影響,労働科学2008;84(1):25-9.
25)Sasaki T, Matsumoto S, Maehara N, Sakai K. The stability of nap taken by hospital nurses during 8, 12 and 16-hour shifts. Shiftwork International Newsletter 2001;18(1):103.
26)久保智英,佐々木司.夜間覚醒前および夜間覚醒中にとる仮眠が早朝時刻帯の眠気と疲労に及ぼす影響.労働科学2000;76(11):473-86.